よきことを他者に勧める:その心理

「自分たちはいいことをしてる」と思っていると、絶対にろくなことはありません。
「いいことをしてない人」に強く働きかけようとしたり、いいことをしているのだから、と、図々しく声高になったりしやすくなります。〈『今日のダーリン』より〉ほぼ日手帳2008/12/23より

Mこちゃんのブログで紹介されていたのを読んで、気に入って使い始めたほぼ日手帳。1ページ1日の構成で、下段に、ベンジャミン・フランクリンのカレンダーのように、一言が載っている。コピーライターの糸井重里さんが選んだだけあって、面白い。予定は真っ白だけど、ついつい読んでしまう。
そして、数日前に最初に紹介した言葉が目に入って身につまされている。


Ryoji☆の長いひたすらインプット時期も終わりに近づいたようで、近頃アウトプットに興味が移り始めた。

その途端にぶつかる、Ryoji☆が「よい」と思うことが相手に響かない悲しさ。何で何だろう?

12/10夜のとある集まりでも、同じテーマが出て来て、思わず笑ってしまった。
ただ、そこから先の態度がRyoji☆とは違っていた。
「うまく往かず迷っている。」と主催者が自己開示をされて、「何かよい知恵はない?」と求められた。
Ryoji☆は調子に乗って何がよいか?考えた。


うなぎを売るのに、うなぎを売ろうとするな。うなぎの匂いを売れ!


の格言通り、いくら「よい中身なんですよ!」と言ってもダメだ。声高に言えば言うほど引く。それをやると、こんな後ろ姿になるですよと、語ることが一番だろう…。


そしてその話し合いもその方向に向かった…。(Ryoji☆は沈黙していたので、場の自然な流れとして。)


あれ、Ryoji☆が「よいこと」を広めたいと格闘している時と、問い自体が変わったし、今回Ryoji☆が出した答えといつも悩んでることが違うぞ。



で、別の機会に伺ったKみこさんの話が思い浮かんだ。ご自分が開かれるワークショップの集客の秘訣は、ご縁のあるワークショップに体が許す限り顔を出し、ご縁を繋ぎ直し、こまめにお誘いすること。地味だが、これをコツコツ地道にやることでご自身のワークショップを満員御礼にしている。
さらにRyoji☆が見る所、Kみこさんには「知らない人と共通点探しをして、盛り上がる」習性があり、常に新しい人と「キャー、一緒やん」と知り合っている。
かく言うRyoji☆も、Kみこによって、Ryoji☆の勤務先と、Kみこさんの引っ越し前住所が近いということで盛り上がり、最初の付き合いがスタートした。

最初その凄さがわからなかった。Kみこさんはそういう人とすぐ仲良くなれる才能があるので、一声かけたらサッと集まるのか?と思っていた。
でも違った。あれだけ知らない人と打ち解けるのが早いKみこさんでさえ、一つ一つのご縁を大切にされた結果としてそうなっていたんだ。Ryoji☆は勘違いをしていた。もちろんやるコンテンツ=内容に自分自身が自信を持っていることは、自分自身の誇りに賭けて最低必要条件だ。その上で、内容の良し悪しとは別のことがあるんだ。


どれだけ他者に繋がろうと向き合っていけるか?どんな愛をシェアしたいのか?どんな関係を創造したいのか?

ここで踏ん張らないといけないのは、「あなたの為を思って私やってあげてるのよ」ではなく、あくまでも「私がやりたいからやる」の態度。そうでないと、そこに「何でわかってくれない!」「こんなに私はやっているのに、あなたは何?」…。怨が募り、それが積もれば憎しみになる。
「やりたいからやる」は軽い。しょげても、また気を取り直して始め直す。だってやりたいんだもの。

そうその態度があった上で、どんな関係をお互い創造したいのか?を意図することが大切だ。
いきなり「誰でもいいけど」じゃなくて、心を込めて「他でもないあなた」とそうしたい。私にとって大切な何かをあなたと分かち合いたかったんだ。それが合わなかったり、タイミングが合わないことはよくあること。
で、相手によらず自分がどんな関係でいくか意図を決めること。それを決めたのは自分自身であって他者は関係ない。そこに「一緒にどう?」という想いはあれば、相手が離れて行く自由も尊重出来るだろう。
よいと思うと、それを他者にも広めたいと思うのは常。しかし、それでは独り善がり。ちゃんと他者と出逢っていない。自己存在を打ち消す力を持った他者は、自己を不安にさせる。だから、自分が信じる大きい物語に賛同して貰えたら、安心する。しかし、それでは力の争い、安心したいという恐怖ベースの発想。そうじゃなくて、自分の内側から相手に与えたいぬくもりから発想する。相手は関係ない。自らの心を見つめ、よきを分かち合う。

後者のやり方はまどろっこしくてイライラするほど気持ちが伝わらない。でも、他者に想いに共感して貰うには、その道しかないのだ。