TEDという衝撃

コーチ仲間のYたかから「TEDいいよ〜」とは聞いていて、興味は持っていたが、自分からアクセスして動画を視聴しようまで行かなかった。今回NHKの2チャンネルで紹介番組があり見て、成る程と思った。

実にアメリカ的だと感じた。アメリカって国に希望を感じるのは、こうした大義に人が動かされるシーンだ。

12分間のプレゼンテーションで世界を変える。

んな馬鹿なと思う。しかもプレゼンテーターへの報酬はゼロ。でも、有名人が競って出演を希望する。それは日本円で40万円近い参加費を払う聴衆が力を持った人たちだから。年1回開催でプレゼンテターには5,000人近い応募がある。うち実際にプレゼンするのは70名程度。境界線上にある何かをその人の在りようを通じて聴衆に訴える。高額の参加費を払って参加する聴衆は、今この世界の「面白い!」に向けて行動しているプレゼンテターの世界に触れたがっている。

インフォメーション・アーキテクチャ。創設者のワーグマンさんは1980年代半ばに、これからは如何に情報をくっつけ、新しい価値を生み出すか?だとして、テクノロジーT、エンターテイメントE、デザインDを理念としたTEDを創設した。インターネットの普及は情報爆発を生んだ。逆に今は真に役立つ情報を選別したどり着くスキル知識が欠かせなくなった。独自の情報ソースで他者を出し抜くというのが難しい。情報はコピーされ、増殖する。情報があっても真に役立つ情報にたどり着くのが難しい。逆に、どうしたらより有益な情報を生み出せるか?も可能となった。組み合わせ次第では、従来考えられなかったことが可能となる。まさにTEDの試みは、35年以上前に、今出現しているネットの変化を予言した動きだった。

そして世界を動かすプレゼンとは、結局人にたどり着く。こんな世界に私はしたい!あなたもそれに参加しませんか?というお誘い。
個人の利益を超えて、私たちの利益を情熱を持って伝えると、その思いに真っ直ぐ応えてくれる。そのポンポンという、共振さが熱気を呼ぶ。プロセスワーク風にいうならば、エッセンス深く、プロセスマインドに達すると、「そうだ!それは私たちが大事にしたいことだ!」と参加したくなる。頭レベルの納得じゃないので、真に人を動かす。


アメリカ的だと思うのは、幾つものシーンでこれと同じパターンを見たから。アメリカってしょうもないって思うことも多いけど、このスピリットだけは尊敬する。そして、日本ではこれが起きにくい。何故プロセスマインドが現れるのを阻むのか?日本人に共振を起こさにくいのは何か?
山岸俊男さんの研究からすると、信頼の期待値の違いなのかも知れない。他者を信頼しないから、人間関係の閉鎖性で安心を得る日本人の癖。
日本でもこうしたTEDのような動きが進むといいなぁ〜。