理想のコーチ(その続き)

 例えて言うなれば、クライアントとコーチの関係は音ではないか?

段階1。コーチと出会って、十分に信じてもらうというパワーをもらったクライアントは、伸び上げるのと、壁を発見する。
→単音を響かせることを発見し、喜ぶ。

段階2。枠を超え始める。あえて壁を乗り越えた先に一歩足を踏み入れてみる。
→単に単音を響かせるのではなく、より澄み切った響きを目指す。自らの音色を発見する。

段階3。関わり合う周りにコーチングをし始める。
→澄んだ単音に反応する別の単音を発見し、ビックリする。そして和音の深みを目指す。


コーチとクライアントが生み出す関係。この二人だからこそ生まれる受け答え。「Dance in the moment」コーチがクライアントからクライアントの隠された力を引き出すのではない。クライアントはコーチとの関係性から、自らの内側を知る。つまり、コーチとクライアントの間から立ち上がってくるんだ。

お互いがお互いの違いを認め合い、尊重し合うからこそ、より自分自身と巡り会う。ああ、こんなにも私は違う感じ方をする別の人なんだ。自分一人では当たり前と思っていたから、それが自分の個性だなんて、思いもしなかった。そっか、私はこういう人だったんだあと気づく。

「ラビング・プレゼンス」の感覚が場に立ち上がる。すごく安全な場として、心のコップが裏返った状態になる。友愛の心が心を温かい物で満たす。共振する。

静かなリーダーシップ
ジョセフ・L.バダラッコ著 / 高木 晴夫監修 / 夏里 尚子訳
翔泳社 (2002.9)
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