跳ね返ってくる

どうも違和感を感じる質問として「その『いつか』は今じゃダメなの?」っていうのがある。いろいろ聞いて、「〜したいなあ」「〜たらいいなあ」って言われた時に、すかさず聞く。言われるとすごくビックリする。だって願望でしょ。これとこれとこれが理由で、だから今はできないけど、そうなったらいいなあって、そんなに深く考えずに何気なく言葉にしただけだから。

この質問を聞くと圧迫感を覚え、容易に願望をコーチの前で口にするもんじゃないって感じる。

でも同時に「これで変わりました!」っていう人もいる。サーフィンするのは、10年後かなあっておっしゃっていた方が次に会ったときは、いや、先日ハワイでやってきました!って、全然別人と思うばかりの変わりよう。すごくイキイキしていた。

そういう方をみると、枠なんだなあって思う。自分で自分に勝手に制約をかけて、呪文のように、ここまでここまでと卑下しているから、本当の望みはいつまで経っても遠い未来でしかない。

先日のあるセミナーで、自分がとった行動がものの見事に一体私は他者をどう考えているのか?の反映だったのには、振り返って苦笑いだった。つまり、自分の枠で必死になって相手の出方を伺い、どんなに自分へ不利な手を打ってきても対応できるようにばかり考えを注力していた。

コーチとして質問をするだけで、一体どう思っているのか?ハッキリと相手に伝わってしまう。うまく行かない質問は自分の枠から判断している時。怖れ。不安。優越意識。うまく行くときの質問は、好奇心を共にしているとき。へぇーそんな風に見えるんだ。じゃ、この場合は?へぇーこっちだとこう感じるんだあ。うんうん、じゃこっちは?…自分の枠を取っ払って、共にあることを選んでいる。

だから、最近とても質問するのが怖い。この問いは、「共にある」問いなんだろうか?と。

伝わる・揺さぶる!文章を書く
山田 ズーニー著
PHP研究所 (2001.11)
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