どう人を支援したらよいか?:ちびまる子ちゃんのシナリオから

10/31(日)のアニメちびまる子ちゃん。サッカーチームにスカウトされた藤木くんをまる子ちゃんが応援する回を見ていて、体験の瞬間が大事と、どう強みを引き出すか、支援者の姿勢の大切さの3つを感じた。

まず一つ目は、より助けになりたいなら、問題の瞬間に相手に何が起きるか?からだなぁ〜って感じた。
スカウトされた藤木君が練習をするうちに、ボール恐怖症になったと聞き出し、まるちゃんとみよちゃんは空き地で、藤木くんにボールを投げつけて、特訓をすることになった。

昔のお節介Ryoji☆もまる子ちゃんと同じことやっただろうなぁ。支援する側は、めっちゃ支援してるつもり。だけど、援助される藤木君にはボールはやっぱり怖くて、そうやられるほど怖さが増す。結局藤木君はあき地へ応援に来てくれた憧れの彼女のおかげで奮起する。
当然まる子は面白くない。(この辺がアニメ(笑))

ここに行き違いがある。困ってる藤木君と、支援しようとしてるまる子が噛み合ってない。

もしRyoji☆が今、関わるとしたら、藤木君にボールが怖いと感じる時、身体に何が起きているか?訊くのが最初になる。後はその身体に起きる感覚を辿っていくことだろう。そうすることで、何が起きていたのか、頭じゃなく身体がわかる。そうすると、次からは怖さは軽減する。

教訓としては、外側からの視点は助けにならない。感じている被支援者が内側でどう感じとっているか?そこで起きているプロセスを紐解く以上に助けになる道はないってことだ。その道筋でのアドバイスはアドバイスだけど、それ以外は評価判断。フィードバックなら意味があるけど、被支援者が学習する力がある時だけ意味をなす。


二つ目は、ピンチになった時、どう強みを維持するか?三つ目は、支援者の姿勢の影響。
実際の試合。藤木君は自分を見失って大ピンチ。特訓でボールに対する恐れは薄くなったものの、空振りしてばかり。藤木君の応援には「行かないよ」と冷たかった花沢くんが偶然やってきて(多分偶然じゃない)、「なんで君がスカウトされたか?思い出せ!」とアドバイスする。「背の高さだ!」と奮起した藤木君は頑張り過ぎて自殺点を入れてしまう。それを見て、花沢君は「もうスカウトされることはないな」とクールに呟きながら去って行く。(この辺がアニメ(笑))


花沢君のアドバイスは見事。そうスカウトされたということは、何かが認められたから。人に賞賛されるほど素晴らしい何かが自分にはあるってこと。だから、それを活かすって所にフォーカスすればよい。
支援者として「頑張れ!」と言うだけじゃなくて、どこまで被支援者にとって意味のある所を観察して指摘出来るかが大事。「足りないとこを何とかしろ!」じゃなく、すでにある所、出来ているとこを確認し伸ばす。現実は複雑なので、出来ていない中に出来ていることの芽が潜んでいるのだ。
本番で緊張するのは当たり前。人の意識は一度に一つしか集中出来ない。出来ているとこに焦点を絞れば、それがよさを広げてくれる。


第三に、花沢君の支援はよかったけど、藤木君への関わりようは下手だった。被支援者の役に立つってより、花沢君はクールな自分を優先している。だから、藤木君が奮起し過ぎた時、クールに切り捨てて去っていく。もうアイツの可能性は無くなった、と。


この花沢君に代表される視点こそ、Ryoji☆に永年染み付いた視点。
しかし、支援者の本領はここから始まる。結果を出せなかった藤木君に、どんな学びがあったか?内省を促すこと。これなしには支援者とは言えない。トライ自体、素晴らしい。結果は副産物。だから結果はよくても、悪くても構わない。支援者はそこで被支援者の内側で何が起きているのか?に好奇心を向ける。コーチングが成果報酬でない理由はここにある。被支援者が自己で学習する力を育んでこそコーチ。



アニメを見ながら、はははっと笑い切れないRyoji☆がいた。そして、「惜しい!こんな風に関われば、相手の力になれるのに…」と別の可能性がハッキリ見えた。
Ryoji☆が永年求めて止まなかった、「本当に役に立つ支援者となる」、がありありと、あぁ力が付いたと感じ取れた。そう、私たちはもっとお互い助け合える!