武士と淋しさ

K先生から「Jijiって武士ですねぇ」って言われて、「えっ」って思った。先生はニュアンスとして褒めている感じなんだろうなって思ったけれど、凄く違和感を感じた。

小学校3年生ぐらいの時、Jijiが何を習い事をするかで、母はボーイスカウトを押し、父は剣道を押した。結果、父の意向が通り、剣道を中学校1年生ぐらいまで学んだ。

今でもJijiがより輝けたであろうは、剣道ではなく、ボーイスカウトだと思う。

剣道は好きではなかったけど、嫌いではなかった。礼に始まり礼に終わる。その妙な形式的なところに、快感を覚えると同時に、なんで?っていう疑問があった。

当時はどちらかというと、体を動かして、体の内側にたまったウサを発散させてスッキリするって方がJiji自身必要だった。ここで発散させないと、どうしても兄弟げんかになりがちだった。

なんでこんなにも人にお願いすることに障害を感じるのだろう?極端なまでに、怖さを感じてしまい、固まってしまう。

それは友達関係にも及ぶし、ベスト・パートナーの話をしていても出てきた。

何度も何度も訪れる。

クライアントさんとご縁を得るにあたって、どうしてもJijiの中のその何かを解消しておきたくて、コーチに頼んで、Jijiの過去の想いを一緒に探ってもらった。

このことで思い出すのは、小学校4年生の時に、転校生が来た。しばらしくして、クラスの男子にJijiとその子が「出来ている!」ということでからかわれた。あんまりにもしつこく言われたので、なんだかそのうち、好きかも?と思うようになった。だけど、4月にその子は転校して行ってしまったので、それっきりとなった。

なぜかこの思い出が繰り返し繰り返し、出てくる。

今回コーチとのセッションで、いろいろああでもない、こうでもないと言ったあと「淋しい」という気持ちだったんだと言い当てることが出来て、スッキリした。

そう剣道の場でもそうだった。Jijiは孤独だった。

3人兄弟の長男ってことで、他に頼る人がいなかった。子ども心に、「しっかりしないと!」思っていたし、親からも「長男だから」と始終言われていた。

この時、平気な顔をしていたかもしれないけれど、淋しくても人を頼れないって感覚が刻み込まれた。とにかく自分でなんでもやるしかない。本当は支え合う仲間がほしかった。でも、そんなこと言えなかった。「助けて!」って言えなかった。すべては嘲笑の中で、Jiji自身の心の声さえも訳がわからなくなった。一体何を感じているのか?Jijiもわからないし、真面目に抗議をすればするほど、「けっ、冗談もわかんないのかぁ」とあざけられた。

冷静に今から考えてみると、当時のJijiは相当理想主義者&完璧主義者だった。周りからすれば、ちょうどいいからかい先。ねたましかったのもあったろうし、Jijiがまたそれにむきになるのが面白かったろう。言行不一致だったから、頭でっかちで、滑稽だったんだろうな。今なら「うん、そうかもしれないね」の一言で済んでしまうレベルだろうな。

もはや状況は大きく変わって、今、多くのコーチ仲間から繰り返し、「JijiはそのまんまでOK。もっともっとJijiらしさをむしろ見せてほしいわ」と言われ、「ありえない!」と当初反応していた。こいつらみんな嘘をついている!こんなに真面目に顔で、オレのことろくに知りもしないで、何を言っているんだ。腹の底では何を考えているか、わかったもんじゃない。もっと警戒しないと…。

あんまりにもしつこく、しかもいろんな人から、繰り返し呪文のように言われて、完全にGive Upした。

コーチ仲間が間違っているんじゃない。私の認識が間違っている。そうじゃない人間関係もあるんだ。こんなにも人は人のことを思いやれる存在であることもあるんだ…。

ここまで書いて、やっぱり超恥ずかしい。ほんとコーチ仲間のおかげで、ここまで来られたんだなとシミジミ思う。みんなありがとうね。

そんな訳で、こと人と関わるってことに関して、Jijiの中の精神年齢は小学校4年生で、凍結したままだった。やっと35歳にもなって、よちよちやり直している感じ。

ロジカルリスニング
船川 淳志著
ダイヤモンド社 (2006.11)
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