コーチングハンドブック 第10章 集中力を生み出す を振り返って


「ゾーンに入る」経験は、「何か?」に好奇心を向けている時。p277で書かれている通り、自己のうちに余計なフィルターがなく、ありのままに観て、まんまの自分を発揮出来ている時。

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従来のコーチングのパラダイムは、「P=C+K」という式で表せます。PはPerformance で業績、Cは Capacity で能力、Kは Knowledge で知識を表します。つまり、「能力に知識を加える」わけです。コーチングの新しいパラダイムは、「P=C-I」と表すことができます。PとCは先ほどと同じで、業績と能力を表します。Iは Interference で妨害や干渉、邪魔といった意味です。すなわち新たなパラダイムにおけるコーチングの目的は、人が持っている能力を発揮することを邪魔してしまうような、「I」を極小化することなのです。
田口力 「世界基準の『部下の育て方』 『モチベーション』から『エンゲージメント』へ」KADOKAWA 2019/05/17著者 (著)https://honto.jp/netstore/pd-book_29632907.html
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 ここで言う2つのコーチング・パラダイムは、人の可能性についての対照的な物の見方から導き出される。 前者は、知識さえ与えられたら、能力を発揮できると考える。つまり、何かが足りないから能力を活かせていないと考える。 後者は、元々人は能力を発揮できる。ただし、内側にそれを阻害する何かがあり、それを自覚して取り除ければ、自然と能力は発揮されると考える。

言葉として「集中しろ!」とは言われるが、実際には集中しようとして集中できるものじゃない。気がついたら没頭している。それを第三者が観察していて、「今、集中しているね」という観察結果となる。

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前野 心理学者のタル・ベン・シャハー先生が言っていましたが、幸せを目指す人は幸福度が低いという研究結果があります。パーパスを持ってやりがいを感じている人が幸せになるのですが、幸せそのものを追求すると幸せになれないということですね。禅問答で、悟りを目指すと悟れないのと同じです。

なぜ、「幸せな社員」は「不幸せな社員」より創造性が3倍高いのか?VUCAの時代に「やりがい」が大事にされるわけ【「佐宗邦威×前野隆司」対談(上)】https://diamond.jp/articles/-/265593

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集中している状態がパフォーマンスが高いからと言って、「集中しよう!」としてもうまくいかない。

集中している本人の内部感覚は、時間が跳ぶ。ハッと意識が我に還ると、時間が経っていたみたいな感覚。
雑念が消え、今ここにあり、時間と空間が一体となって、ものすごく鋭敏になる。

内包関係にある、傾聴のレベル1、2、3が同時にある感覚。山崎さんは、何かに集中していると同時に、回りの様子も気がついてる状態と書いている。シンクロナイズド・スイミングの選手はそれをやってのけている。

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前野隆司(以下、前野) 私は「幸せ」の研究に長年取り組んできましたが、パーパスを持つことと幸せであること、そして創造性を発揮することは、全て本質的に近い概念だと考えています。


なぜ、「幸せな社員」は「不幸せな社員」より創造性が3倍高いのか?VUCAの時代に「やりがい」が大事にされるわけ【「佐宗邦威×前野隆司」対談(上)】https://diamond.jp/articles/-/265593

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かつての上級コース時の、オーディオ・ボディアムでの関京子さんのフルフィルメントの解説。「あなたは日々の中でどれくらいフルフィルメントを感じていますか?」へ、沈黙があった後。『「いつでも」です。』の声に、初めて聞いた時の驚きと嫌悪感を思い出した。当時は、何だかよく分からないけど満たされないって思いで良治は一杯で、とても日々フルフィルメントを感じるなんてありえなかった。

今回の山崎さんの解説に則って記述すると、良治の中に「満たされない何か?」がフィルターとしてあり、良治の内なるピジョンと、良治が今ここで五感から感じ取っている現実を自覚できていなかった。だから、良治内で、思い込みの観念がグルグルして、立ち往生していた。

15年経った今なら、京子さんの問いかけと答えに「Yes!」と素直に言える。今の良治は日々フルフィルメントを感じてる。だから、コーチとしては仙人みたいな感じで、どっちでもあなたが望むならそれでいいんじゃないって思う。同時に、良治内のフィルターが薄くなったので、感じたままをクライアントさんへフィードバックできるようになった。

フィルターが薄くなると、外部環境が伝えてくれている微細な何か?に気づけるようになる。(プロセスワーク用語で言うとフラート。)

スピリチャルの取り入れも、この状態なら、感じとれやすいのも、直感の出所もこのあたりにある気がする。

素晴らしいコーチは、今この場に漂う何か?に鋭敏で、それをクライアントへ的確にフィードバックし、クライアントとコーチが共に、今ここにある何か?を探求しようとする場になる。
そうすると、自然と内から、その人の人生がコーリングに合っている何か?それに向かっているか?だけが大事になってくる気がする。
前野先生が言う、人生の目的がクローズアップされ、幸せさと創造性が満ちている感覚となる。

 

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