メタ認知能力と感情

メタ認知能力と感情

 

「ラーンベター」を読んでいて、この10年近く探していた答えを発見した。

 

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それはコーチングに於ける気持ちの取り扱い。

 

コーチング業界では、コーチAとCTIという大きなコーチ養成機関があり、 10年くらい前に「それぞれの違いって何だろう?」と学んでるお互いの中から疑問が上がり、違いを体感するイベントがあった。結果としては、重きを置いているポイントは違っていたものの、双方の上級コーチの在り様や振るまいは、限りなく似通っていた。つまり、コーチとしての高見を目指すと同じようになるのだということがわかった。

で、強いて違いを言うならば、コンセンサス・リアリティ(CR)重視と気持ち重視と言えるかな?と当時感じた。アメリカでの規模で言えば、CTIの方が大きいらしい。なのでアメリカでのニーズは気持ち重視なのかな?と想像した。

 

「同じコーチングと言いながら、この違いは一体何なんだろう?」と、うまく言い当てた感がなく、モヤモヤしていた。

 

当時のRyoji☆には、どうもコーチAのノリが合わなかった。感覚として、ゴツゴツぶつけられる感じで、優しくない。

一方、CTIコーチングは、ドリームアップが過ぎる場合があり、コーチに気持ちを聞いて貰ってスッキリしたのかも知れない。だけど、全然現実に変化が起きないということが起きうる、というのが気になった。

だからCTIでは本質的変化を強調するのだろうけれど、それはそれで抽象度が高過ぎて、理想ではあるがセッションでの指標にするには遠すぎる、と感じる。コーチングの指針とするには、抽象度を低くしないと何も言ってないのと同じ気がする。

 

そのあたりが今回「ラーンベター」を読んで腑に落ちた。

 

ラーンベターの目次

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第一章 価値を見いだす
第二章 目標を決める
第三章 能力を伸ばす
第四章 発展させる
第五章 関係づける
第六章 再考する 

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まず感情はメタ認知に必須。感情があるから、決断出来る。例えるならば、感情の雲が浮かんでいて、それぞれの感覚が自覚出来ると、全体を感じて決められる。直観もここから来る。

特に脳のある部分の腫瘍が原因で、感情が消え失せてしまった方たちの振るまいに説得された。知性は以前と変わらない。だから事象の理解力は変わってない。ただし、全く決断が出来ない。全く苛々するほど、たわいもない次回の面談予定日を決められない。こちらから提案すると「それでよいです」と、この長い決めかねていた時間はなんなのか?と。

 

 

で、この感情を頼りに、何が私を動かしていたのか?、メタ認知をすることで、私にとっての意味が深掘りされる。

 

こうして、意味付けがなされ、目的がハッキリすると、具体的にどうするか?目標設定となる。

 

で、絞り込まれた目標に向かって、モニタリングしながらフィードバックして、地道に練習する。

 

Ryoji☆が思うに、この目標が定まってからのモニタリングやフィードバック部分にコーチAのコーチングは、「コーチング」と名付けていた。

どちらかと言えば、スポーツのコーチングをビジネス向けにアレンジしたイメージ。

 

 

一方、CTIは、メタ認知からの意味付けに重きを起き、そこからの決断を「コーチング」と考えた。だから、「宇宙」とか「直感」が大切になる。論理的には説明出来ないけれど、「これだ!」と告げ知らせる何か?

で、このメタ認知力はリーダーシップに欠かせない。だから、意味を創造する親和性があった。(CTIはリーダーシッブを学ぶプログラムも提供してる。)

 

こう付置すると、なぜ双方の上級コーチは似かよるか?もわかる。つまり、「ラーンベター」が解説するように、コーチAとCTIをそれぞれ「学び学」という物差しで見ると、繋がっているある部分に強みを持つことが分かる。つまり、CTIは意味付けに強い。そこにはメタ認知力を上げるため、気持ち、感情を重視する。そして、コーチAは、目標が絞り込まれた後、どうやって能力を身につけるかに強い。

で、なぜコーチAとCTIの上級コーチが似かよるかと言えば、コーチがコーチたるには、 「学び学」の最初から最後までクライアントと共にいる必要があるからだ。たぶん、クライアントさんと共にいる実践の中で、今何をクライアントさんが必要としているか?に応えようとして鍛えられたのだろう。クライアントと共にいれば、クライアントの学びのフェーズに向きあわざろう得ない。

 

こう考えると、予備校の有名講師は、教え方が上手いだけでなく、「何故これを学ぶのか?」スポーツで言うペップトークが上手いのだ。学ぶためのレディネスを生徒に整える。だから、生徒は学びを起こせる。

 

メタ認知に感情が欠かせない」という事実は、深いインパクトがある。