橘怜「幸福の資本論」

まず幸福を成り立たせる条件として、金融資本、人的資本、社会資本の三つだと整理したのが素晴らしい。

幸福とはこの三つがプラスで成り立つこと。ただし、三つ同時は難しく、せめて一つが成り立てばよい。

個人が生きるために努力するのはこの三つなんだ

としてくれて、coachingに出会って10年、その最初の数年、この三つに投資したお蔭で、人生変わった。特に社会資本が充実したことが大きい。コーチングを通じて知り合った友はかけがいのない宝だ。

この本を読むとこれまで点だった知識が「そう把握すればよいのか?」と綺麗に整理される。

 

引用されてる調査や発想にハッとさせられた。

 

一つは、自然界において、勝者は一種だけ。ただし、様々なニッチな環境下においてはその勝者は変わる。

この事実は、サッサと自分の強みに特化した方がよいってことだし、マーケティング理論のポジショニングとはまさに戦う場所を選べってことはまさにこのことだなと。勝たないと生き残れない。だからこそ生き残れるニッチを選べ。

 

日本のサラリーマンは意外と幸福じゃないと思ってるって、世界的な統計結果から出ているってのも驚き。諸々観察すると、サラリーマンって在り方は特殊。だから、そこが合わないなら、違う選択に切り替えた方がよいってことも納得。

就職系の本で、「君はサラリーマンに向いてない」って著者が断言していてビックリした。著者によればサラリーマンには集団で過ごす対人能力や、やりたくないことでもやる力など、いくつかの必須能力がいる。それがないなら、サラリーマン以外を選んだ方がよい。

 

この本がいいと感じたのは、主張に対応する根拠が示されていること。調査の数値が変われば意見も変わることが明白。

 

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